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ニューノーマル時代を切り拓く「新・キャリア発達モデルの研究会」~一緒に考えませんか?~ Vol.2

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2021.4.28


これまでの流れ:Vol.1の記事はこちら
2021年3月31日に第1回目の研究会を開催しました。
参加者は社外専門家として高橋浩さん、伊達洋駆さん、齊藤光弘さん、酒井章さん。社内メンバーは、水野みち、嶋美乃、和泉浩宣、緒方雪絵、荒木美玄です。
研究会メンバーの一覧やプロフィールはこちらです。
研究員の発言をふまえながら、解説を加え、議論をご紹介しています。

これからの日本に目を向けると何が見えてくるのか?

齊藤さん:ミレニアル世代とか、それ以降になってくるかなと思うんですが、働く中心的な目的は収入ではなくなり、働く中で及ぼせる影響に移ってきている気がしています。
パーパス(Purpose)という言葉もありますが、人生の目的や価値観、大儀です。これからの雇用関係っていうのは、パーパスで成り立つようになるのかなとも思ってて。そこが不一致であれば、流動性が高まる社会では、転職する人が増えるんだと思うんですよね。だから個人は何を願っていて、それを実現するために会社っていうのをどう活用できるのかという視点を個人が持ちはじめているんです。会社の資本的な部分、資産の部分を使って実現させられるかどうかという視点です。今までと逆のベクトルが働き始めている。
もはや会社だけの枠組みではなく、パーパスの結びつきで組織が形成されていくイメージが浮かび上がってきます。これからの若者はEmployment(雇用)ではなくExperience(経験)を求めるなんていう話もあります。
パラレルワーカーと言われる方々の働き方に近づくようです。
伊達さん:メンバーシップ型雇用におけるいわゆる正社員は、会社という共同体に準拠して仕事を進めています。他方で、専門家と呼ばれる人たちは、これまでも、社外に自分が準拠する共同体がありました。例えば、大学研究者は学内の評価も大事ですが、学会での評価も重視しています。どの時点で、どの共同体に、どのように参加しているのかという視点を加えると、キャリアもまた違った風に見えてきますね。
そういえば、エドガー・シャイン博士も、似たようなお話をされていました。これからはますます職場の境界線が薄れていき、様々な新しいユニットで共同体が発生する。すると、自分のパーパスを持っている方が、翻弄されにくくなるのかもしれません。
それにしても、若手の価値観の話になると、現場からは2極化しているという声もよく聞きます。「うちの若手社員はそんな共同体だとかパーパスだなんて高尚なこと考えてないですよ」と。確かにそうかもしれません。しかし、「好き・嫌い」「やりたい・やりたくない」という自己の感覚に素直な人は増えているようにも感じます。これは、仕事に対する内的感覚が表現として熟していないだけなのかもしれません。
高橋さん:確かに、おもしろいですね。さらに加えると、共同体の認識の仕方っていうのも人によって範囲が違ってくるでしょうし、ひょっとしたら本人の成長によっても違ってくるのかもしれませんよね。どこまでの範囲を共同体と認識しているのかも。
共同体の感覚や、パーパス、価値観なども個人の成長とともに深まったり、広がったりしていくとすると、キャリアを表現する際には固定的ではなく有機的に変化していく概念が必要だと考えられます。
次回は、個人の発達という視点で探求していきます。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。共に考えていけると嬉しいです。

<参考文献>
「ザ・ジャパニーズ」 エドウィン・O・ライシャワー
「『甘え』の構造」土居健郎
「中空構造日本の深層」河合隼雄
「菊と刀」ルース・ベネディクト
<研究員について>
研究員は、社外専門家と社内メンバーで構成しています。
【社外専門家】50音順
齊藤 光弘 氏(合同会社あまね舎 代表)
酒井 章 氏(株式会社the creative journey 代表)
高橋 浩 氏(ユースキャリア研究所 代表)
伊達 洋駆 氏(株式会社ビジネスリサーチラボ 代表)
【日本マンパワー研究員】
水野 みち (株式会社日本マンパワー フェロー/キャリアのこれから研究所 所長)
荒木 美玄
五十嵐 賢
和泉 浩宣
大恵 英樹
岡島 克佳
嶋 美乃
【社外研究員のプロフィール】50音順
齊藤 光弘 (さいとう みつひろ)氏
合同会社あまね舎/ OWL:Organization Whole-beings Laboratory 代表。
組織づくりや人材育成の領域で、現場支援と研究を融合させ、組織のメンバーが持つ想いと強みを引き出すためのサポートに取り組む。M&Aのプロセスをサポートするコンサルティングファーム/ 投資ファンドを経て、東京大学大学院にて中原淳博士に師事し、組織開発・人材開発の理論と現場への応用手法を学ぶ。2020年3月まで國學院大學経済学部特任助教など、大学でのリーダーシップ教育/ アクティブラーニング型教育の企画・実施にも関わる。共著に『人材開発研究大全』。
酒井 章(さかい あきら)氏
株式会社the creative journey 代表。キャリアのこれから研究所プロデューサー。
1984年広告代理店に入社。クリエイティブ部門、営業部門を経て、2004年からのアジア統括会社時にアジアネットワークの企業内大学を設立。帰任後は人事部門でキャリア施策開発に携わる一方、NPO法人二枚目の名刺メンバーとして活動。東京汐留エリアの企業・行政越境コンソーシアム(LifeWorkS project Shiodome)を立ち上げる。2019年4月に独立し、㈱the creative journey設立。国家資格キャリアコンサルタント、青山学院大学社会情報学部プロジェクト教授、早稲田大学エクステンションセンター WASEDA NEOプログラム・プロデューサー、筑波大学大学院・働く人の心理支援開発研究センター 客員研究員。
アルムナイ研究所所長、武蔵野美術大学大学院修士課程(クリエイティブリーダーシップコース)修了
高橋 浩(たかはし ひろし)氏
ユースキャリア研究所代表。日本キャリア開発協会理事、法政大学および目白大学講師。
博士(心理学)。国家資格キャリアコンサルタント。1987年に弘前大学教育学部を卒業後、電子メーカーに入社し半導体設計、経営企画、キャリア相談に従事。2001年、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)を取得し、2012年にキャリアカウンセラーとして独立。2016年~2017年、厚生労働省委託事業セルフ・キャリアドック導入支援事業推進委員会委員、2018年~2019年、厚生労働省委託事業セルフ・キャリアドック普及拡大加速化事業アドバイザーを務める。
伊達洋駆(だて ようく)氏
株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役。
神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。近刊に『オンライン採用 新時代と自社にフィットした人材の求め方』(日本能率協会マネジメントセンター)、共著に『組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス』(ソシム)や『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)など。