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キャリこれ

日本マンパワー片山繁載「〇〇」

インタビュー

社員

2021.9.27

今回の日本マンパワー社員インタビューでは、今年6月に新社長に就任した片山繁載社長に話を聞きました。新社長が考える「日本マンパワーのこれから」、お客様や弊社社員への熱い想いをぜひご一読ください!

①現在の仕事内容について教えてください

その名の通り「社長業」です。まず、私が考える社長の基本的な役割は、会社の長期的で大きなビジョンを示し、その方針のもとで社員の一人ひとりが最も活躍できる場所をつくることだと思っています。その枠組みの中で私がめざしていきたいことは、自律分散経営、すなわち、自律した組織の中で自律した社員が、自発的に自分たちの目標や働き方、そして事業を運営していくことです。
その中で私が目指している社長像は、重たく威厳がある人ではなく、気軽に相談をしやすい存在です。自分自身が課題の真正面に立ち、社員に対して「どうしようか?」と問いかけながら、一緒に問題解決をしていくようなイメージです。まずは自分が率先し、次いでこのようなリーダーを育成することで、困ったときには誰にでも声をかけやすい自由闊達な組織風土をさらに深めていきたいですね。
私はよく「一人で戦うな」と話しています。仲間をつくり、仲間を信頼してほしいのです。それこそが、私自身が今日までなんとか走り続けてこられた原動力でもあるからです。40年以上に渡って山あり谷ありの会社生活を送ってきましたが、組織・個人として壁に対峙したときに、自分が一生懸命に努力していると、かならず問題解決を手伝ってくれる仲間が現れました。だから社員にも、まずは一心不乱に自律したプロを目指して仕事に取り組んでほしい。時には厳しいと感じる仕事でも、徐々に対処の仕方がわかるし、頑張っていると味方も増えてくる。そうやって一つひとつ乗り越えていくうちに、仕事が楽しく、面白く感じられるようになると思います。

②日本マンパワーへの入社のきっかけは?

学生時代、まずは工業大学で土木や技術系統を一通り学んだ後、別の大学に入って心理学や社会学、人間科学といった勉強をしました。特に人間科学は魅力的でした。当時の私は、経済学や経営学は人間に向き合えていないように感じられましたし、社会学は思想性や福祉色が強いものが多かったので、人間科学の新鮮さがまぶしかった。それを直に感じられるような仕事に就きたかったのです。
弊社への入社のきっかけは、日本マンパワーのキャリアの教材をたまたま手に取ったことでした。入社前、同業他社でアルバイトをしていて、その業務の一環で目にしたのです。表紙に「CDS(キャリア・デベロップメント・システム)」と書かれた赤い冊子。通信教育の副教材でしたが、一般的な能力開発の内容ではなく「将来のあなたはどうなりたいですか」といったキャリアに関する内容ばかりでした。そのインパクトが大きかったです。時を同じく、日本マンパワーの求人広告を新聞で見つけて、面白いに違いない、と応募しました。
あの冊子は、能力開発や人材開発とはキャリア開発に直結したものなのだと、いつも私に語りかけてくれています。決して忘れることのできない思い出です。
入社した日本マンパワーは、時代背景もあり、社員個人のキャリアに寄り添えるほどの能力開発制度がまだ整っていませんでした。一方で、自分でチャンスを得るには非常に良い会社でした。こんなことをしたい、あんなことをしたいと手を挙げれば、惜しみなく機会を与えられたので本当にありがたかったです。
私自身がこのように育てられてきましたので、今の社員にも同じように、やりたいことや目指したいことを存分にアピールしてもらえればと考えています。たとえば「こんな調査をしたい」「こんな研究をしたい」など、ぜひ積極的に聞かせてもらえたら嬉しいです。

③片山さんにとっての「自分らしさ」とは?

これは、キャリアカウンセリングにおいて最も困る質問ですね(笑)。しかし、だからこそ大好きな質問でもあります。明確な答えがないからです。その答えはカメレオンのように何度でも変化するものですし、自らの心を流動的に捉えることができるのです。人の可能性や関心は一生の間に何度も移り変わるもの。私自身、自分で自分をどう掴んでよいものか、未だに考えあぐねています。あまり固定的な価値観に縛られることなく過ごすのも、案外大事なことかもしれません。
これまでの自分を振り返り、あえて言葉にするとしたら、まずは「探究心」、次いで「使命感」、そして「楽しくやる」の三つでしょうか。
私は『ファーブル昆虫記』のファーブルに憧れているのですが、まさに彼のような「なぜだろう?」「もっと知りたい」という探究心をずっと持ち続けていたいと思っています。好きなこと、社会に役立つことに夢中で取り組むことは私の原動力ですから、生涯にわたって追い求めたいものです。
そして「使命感」。かっこいい使命感ではなくて、人の期待やおだてに乗りやすいんですね。リーダーシップ資質が微塵もないのに、その立場に就きたがる。「これ、どうする?」と皆が顔を見合わせているシチュエーションで、反射的にひょいと手を挙げてしまうのです。
最後の「楽しくやる」ですが、これを大事にしていたおかげで、何が起きても大概のことは乗り越えられました。どちらかといえば落ち込む性質なのですが、三日間落ち込んだら、翌四日目には楽しんで仕事ができている、といった感じです。
会社人生にはいろいろなことが付き物です。会社を辞めようと思ったことも何度かあります。しかしそんな時にこそ、「探究心」や「使命感」といったキーワードに立ち返って考え直してみたことで、仕事を続けてこられたと感じています。

④片山さんの名刺の色は何色ですか?選んだ理由もぜひ教えてください。

グリーンです。昔に比べると随分落ち着きました。以前、再就職支援事業を必死に推進していた頃であれば、オレンジを選んでいたと思います。早く事業を成功させなければとギラギラしていましたからね。自分らしさが移り変わっていくものであるように、自分を表す色もその時々で変わっていくのは面白いですね。
(小池)グリーンの色には「協調性がある」という意味が含まれているのですが、片山さんが何度かおっしゃっている、「仲間を作ることの大切さ」とも近しいところがあるのかな、と感じました。
近しい、とは一言で言いにくいかもしれない。私は喧嘩もよくします。自分と水が合わない人を受け入れるのに時間がかかる。でも、対峙したり、激論を交わした人も、後から振り返ってみれば、最後は仲良くなっています。お互い真剣に丁々発止でやり取りをすることが大事ですね。人を人としてそのまま認められるような関係まで深めていくこと。そうすれば良きパートナーやアドバイザーになってくれます。さまざまな経験を経て自分の性格が丸くなってきたこともあるかもしれませんが……。グリーンの意味には「聞き上手」「安らぎを与える」という言葉もありますが、こういった優しさの要素が、最後に人を呼ぶのかもしれません。それは実感としてわかる気もしますね。

⑤プライベートについての質問です。現在夢中になっている趣味などはありますか?

趣味と言えるかはわかりませんが、子育て期の長い時期を切り抜けるために、料理だけは長年取り組んできました。家庭料理はもちろん、おもてなしのパーティー料理からおせちまで作ります。鍋底磨きや包丁研ぎをやっていると、本当に気持ちが安らぎますね(笑)。
最近は「野鳥の会」の会員になりました。長年人間を見ることばかりしてきましたので、今度は自然を見てみようと思い立ちまして……これが非常に良い勉強になりました。
スズメ一羽が、卵から成鳥になって一生を終える確率がどれくらいか知っていますか?聞いた話ですが、なんと100分の1ほどなんですね。だいたいは卵の段階で食べられてしまう。雛に育っても、ハヤブサなどに狙われる。ちゃんと大人になって親として卵を産み、雛の成長を見届けて死ぬ、人間のように天寿を全うできるスズメなんて、ほとんどいないのです。自然界の生き物は、生きることにただただ一生懸命です。それでも、100分の1しか天寿を全うできない。
今、この100分の1の確率を守っている自然が破壊されていますね。100分の1が、さらに1000分の1になるわけです。種の絶滅とは、このようなことが数多く起こるということ。現代は人間中心の世界観になっていますが、人間ばかりではなくて、自然との共生感というものを肌で感じてみると、多くのことを豊かに学び得ると感じています。
その他は、健康維持のため、高校時代からやっていた少林寺拳法を再開しました。道場には小さな子供たちもたくさんいて、稽古の相手をしたりします。普段は可愛らしい彼らですが、いざ胴着を身に着けると、途端に凛々しく見えるのが微笑ましいのです。いくつになっても続けていきたいと思っています。

⑥今後のビジョンや目標がありましたら、ぜひ聞かせてください。

お客様から「日本マンパワーはキャリア開発・人材開発のベストパートナー」とおっしゃっていただけるような会社にしたいです。
VUCAの時代と言われて久しいですが、お客様のDX化が日々進行していく流れのなかで、お客様と共にもっと成長することが必要です。今まで以上に、キャリア開発支援に関心を持つ人事ご担当者の層を広げたいです。
今の弊社のソリューションは、どちらかというと会社の育成段階に従って、いわゆる「良い成長」を遂げようとしている方を対象としています。しかし、まだまだキャリア開発に困っている方はまだまだ多くいらっしゃいます。そのような方々へのキャリア開発支援も必要になってくると考えています。
そのために、外部パートナーと日本マンパワーのDNAを掛け合わせたような新規事業の立ち上げも目指したいところです。
私は、日本マンパワーをキャリアサポートワークが大好きな仕事マニアたちの会社にしたいと考えています。キャリア開発支援や人材開発、人と組織の問題解決を一生懸命やっているのが楽しくて、かつ、若手から育休産休中の人、ミドルから私のようなシニア世代の人まで多様な人が働いている会社になれれば良い。パタゴニアという企業がありますが、目指すところはあのようなイメージです。自分たちの生き方に自社の製品やサービスが紐づいていて、それをお客様におすすめしていくような……。
キャリア開発支援の現場では、よく著名な学者の理論を使うことがありますが、その先をめざしていきたい。キャリア開発支援の事業を行う中で、「自分自身にとってのキャリア支援とはなにか?」ということに、自分事として体現できる社員がもっと増えてほしいと思っています。
私自身は40代半ばくらいの時、「ミドルシニア世代を生涯輝かせ続ける」ことを自らのライフワークにしようと決めました。自分はこのテーマで生きていこうと。
そして社員には、仕事以外の領域でも、自分の才能の開花を恐れずに行ってほしい。人間は自分の脳のごく限られた一部しか使っていないそうです。昨今の多様性には、仕事以外の余暇活動や副業も含まれてきますから、あらゆることに興味や関心の幅を広げて、自分のやりたいことをやっていく社員が増えてほしいです。私自身は、事業開発に情熱を傾けて、日本マンパワーを卒業した後でも、自分の会社を起業したいと考えています。キャリア開発支援や人材開発の世界は、このような夢があるのだと示すことができたら、これ以上喜ばしいことはありません。