キャリこれ所長より皆さまへ vol.2 【後編】1月15日設立記念イベントの キーメッセージ&研究会に向けて
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連載記事
2021.2.24
~キャリこれ所長よりみなさまへ~
月に一度、「キャリアの“これから”」に対する私の想い・視点・問いを言葉にしてお届けしています。今回のvol.2では「1月15日設立記念イベントのキーメッセージ&研究会に向けて」の後編をお届けします。
■1月15日設立記念イベントのキーメッセージ&研究会に向けて 前編
http://test.future-career-labo.com/2021/02/24/mizuno06
http://test.future-career-labo.com/2021/02/24/mizuno06
水野みち プロフィール
キャリこれ研究所所長、株式会社日本マンパワー フェロー
NPO日本キャリア開発協会認定スーパーバイザー、ACCN理事、厚生労働省委託事業「SV検討委員会」委員。
NPO日本キャリア開発協会認定スーパーバイザー、ACCN理事、厚生労働省委託事業「SV検討委員会」委員。
【経歴】国際基督教大学卒業。1999年より日本マンパワーでキャリアカウンセラーの養成事業に参画。JCDAの立ち上げ、キャリアコンサルタント養成講座プログラム開発・テキスト執筆、普及推進に携わる。
2005年に米国で最も充実したキャリアセンターを持つペンシルバニア州立大学にて教育学修士(カウンセラー教育)取得。現在は企業内のキャリアカウンセリング、キャリア開発、組織開発、企業内キャリア支援のスーパービジョンに従事。
2005年に米国で最も充実したキャリアセンターを持つペンシルバニア州立大学にて教育学修士(カウンセラー教育)取得。現在は企業内のキャリアカウンセリング、キャリア開発、組織開発、企業内キャリア支援のスーパービジョンに従事。
国家資格キャリアコンサルタント/CDA、MBTI認定ユーザー、組織開発ファシリテーター、産業カウンセラー、Dr.Robert Keganによる認定ITCファシリテーター。
人間性と生産性
後編では、今の時代における「人間性」と「生産性」についても触れておきたいと思います。日本キャリア開発協会会長・立野了嗣(たつのりょうじ)さんは、「この2つは相反さない形で実現できるのではないか」と提唱されていました。
■立野さんのインタビュー記事
日本のキャリアコンサルティングにおける普及推進の立役者・立野了嗣氏が見る“キャリアのこれから”
https://future-career-labo.com/2020/12/24/ogata04/
日本のキャリアコンサルティングにおける普及推進の立役者・立野了嗣氏が見る“キャリアのこれから”
https://future-career-labo.com/2020/12/24/ogata04/
そもそも、人間性と生産性が相反するものとして描かれやすいのはなぜでしょうか。以下のようなイメージを持つ方も多いと思います。
こうして見ると、生産性と人間性が対立しがちな理由が見えてきます。平たい言葉でいうと、人間性に意識を向けすぎるとなんとなく「めんどくさい」ことになりそう…という声が聞こえてきます。人間性を排除した生産方式がいいのか、人間性を活かした生産方式がいいのか?実際には、機械でもない限り、人間性を排除することなどできません。やりがいが落ちている時、自分の仕事のはかどり方が悪くなるということを私たちは肌身で感じているはずです。機械のように人を扱うことによる弊害もたくさん目にしています。
改めて、生産性の定義を変えようとする動きが近年では増えています。それが、マネジメントスタイルの変化、資本主義の問い直し、クリエイティビティの見直し、サステナビリティ(持続可能性)の重視などの言葉に表れているのではないでしょうか。私自身は、この生産性と人間性の2つをつなげる上で欠かせないのが、人の発達・成熟プロセスだと考えています。この議論は、専門家の知見を借りながら今後にとっておきたいと思いますが、頭出しさせていただきます。
次のステップ…研究会に向けて
設立イベントの趣旨は、人間性の発揮と成熟した社会でした。人間性とはいったい何なのか?生産性と相反することなく発揮できるものなのか?インスピレーション映像制作にあたってのインタビューやパネリストトークを通して浮かんでくる言葉は次のとおりです。
・人間性とは本来もっとクリエイティブなもの
・企業内キャリアカウンセリングの相談テーマの多くは、強い管理意識によるもの
・人は、生み出すものに、自分が反映されていることに喜びを感じる
・他者からやらされるのではなく、自らが選んだという感覚が力を生み出す
・自分以外の誰かを想像できる。だから大儀が支えになる
・物語ることによって、自分だけの意味が生み出される
・自分は自分で思っているより、もっと複雑で多様なもの。自分をみくびらない
・関係の中で立ち現れる自分や役割
・企業内キャリアカウンセリングの相談テーマの多くは、強い管理意識によるもの
・人は、生み出すものに、自分が反映されていることに喜びを感じる
・他者からやらされるのではなく、自らが選んだという感覚が力を生み出す
・自分以外の誰かを想像できる。だから大儀が支えになる
・物語ることによって、自分だけの意味が生み出される
・自分は自分で思っているより、もっと複雑で多様なもの。自分をみくびらない
・関係の中で立ち現れる自分や役割
この後に続く研究会では、「人間性の発揮と生産性」をテーマに扱いたいと考えています。
●テーマ:キャリアカウンセリングが人間性の発揮を促す営みだとすると、それがこれからの生産性向上に資するのだろうか?
●研究の視点:
①個人においては、大人の意識の発達を捉えた「成人発達理論」や「キャリア成熟」「ジョブクラフティング」「プロティアン・キャリア」の概念などを参考に、人生100年時代に合ったキャリア発達のフレームワークを示します。
②組織においては、人間性の発揮を妨げない形で生産性を向上させている組織を研究し、そこに流れる汎用的な知恵を見える化していきます。
①個人においては、大人の意識の発達を捉えた「成人発達理論」や「キャリア成熟」「ジョブクラフティング」「プロティアン・キャリア」の概念などを参考に、人生100年時代に合ったキャリア発達のフレームワークを示します。
②組織においては、人間性の発揮を妨げない形で生産性を向上させている組織を研究し、そこに流れる汎用的な知恵を見える化していきます。
キャリアの“これから”を見据えて、共に人間性の発揮と生産性について深めていきましょう!
キャリアのこれから研究所・所長、日本マンパワー・フェロー、JCDA認定スーパーバイザー・CDAインストラクター。趣味は物語づくり、いろんな人と会っておしゃべりすること。