【後編】学びのパラダイムチェンジが起こるいま、社会人・企業人に学びを提供する会社は、どのような役割を果たしていくべきなのか?
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2023.5.31
社会人や企業人の学びの潮流を俯瞰すると共に、新たな学びに挑戦する現場のレポートを行い、これからの働き方やキャリアの道を描く上で本質的に考えるべきことの解明をめざしてスタートしたシリーズ「学びのこれから」。
最終回は、社会人や企業人に学びの機会を提供する立場である日本マンパワーの社員による座談会形式で、本連載からどのような気づきを得たのか、何を学んだのかを話し合いました。
座談会後編をお届けします!
座談会後編をお届けします!
【目次】
Q1:連載を読んでの感想
Q2: ひとりの社会人として、これからどのような学びをしていきたいと思いましたか?
Q3: 特に印象に残ったエピソード
Q4:社会人・企業人に学びを提供する会社は、これから社会の中でどのような役割を果たしていくべきだと思いますか?
Q5: 日本マンパワーは、これからどのような学びの機会を提供していくことができると思いますか?
Q6: 皆さんにとって「学び」とは何でしょうか?
Q1:連載を読んでの感想
Q2: ひとりの社会人として、これからどのような学びをしていきたいと思いましたか?
Q3: 特に印象に残ったエピソード
Q4:社会人・企業人に学びを提供する会社は、これから社会の中でどのような役割を果たしていくべきだと思いますか?
Q5: 日本マンパワーは、これからどのような学びの機会を提供していくことができると思いますか?
Q6: 皆さんにとって「学び」とは何でしょうか?
Q4:社会人・企業人に学びを提供する会社は、これから社会の中でどのような役割を果たしていくべきだと思いますか?
過去連載 ゲストの言葉を抜粋
小泉:
「人に合わせてカスタマイズできる支援」と「対話を通して本人が選び取れる選択肢の提供」だと考えています。大きな企業や組織のお客様に対しては、どうしても基本的なプログラムを組んでパッケージ的な研修体系をご提供するのが定番になってしまうのですが、これからより個に焦点を当てていくというパラダイム転換が起こっている中で、それ(パッケージ的な研修体系)が難しくなるなというジレンマがすごくあります。何かと対処療法の相談が多いのですが、それは先を見たときに効果が停滞するか、下がるかが見えてくる傾向が圧倒的に多いんです。
「人に合わせてカスタマイズできる支援」と「対話を通して本人が選び取れる選択肢の提供」だと考えています。大きな企業や組織のお客様に対しては、どうしても基本的なプログラムを組んでパッケージ的な研修体系をご提供するのが定番になってしまうのですが、これからより個に焦点を当てていくというパラダイム転換が起こっている中で、それ(パッケージ的な研修体系)が難しくなるなというジレンマがすごくあります。何かと対処療法の相談が多いのですが、それは先を見たときに効果が停滞するか、下がるかが見えてくる傾向が圧倒的に多いんです。
だからこそ、効果が上昇するような仕組み作りをお手伝いしたいと思っていますし、「対処療法的ではいけない」という課題感を持っていらっしゃるご担当者が旗を振りながら、賛同してくれる社内の方々と一緒に新しく作るデザインができると良いと思っています。
和泉:
ジョブ型雇用が進み、ジョブの定義やスキルレベルが一般化されると、確かに企業内で収まらないよね、という話になると思います。企業内独自のノウハウはOJTで伝承されていく一方、ジョブに必要なスキルや知識は個人で外でしっかり学ぶ、という形にこれから変わっていくんだろうと思いました。
ジョブ型雇用が進み、ジョブの定義やスキルレベルが一般化されると、確かに企業内で収まらないよね、という話になると思います。企業内独自のノウハウはOJTで伝承されていく一方、ジョブに必要なスキルや知識は個人で外でしっかり学ぶ、という形にこれから変わっていくんだろうと思いました。
具体的には、人事の学校、営業の学校、総務の学校、マーケティングの学校のような職種別の専門性を深めるプログラムがもっと主流になっていくのではないかと思います。では、私たち教育会社で何を支援していくのかとなると、そのもとにあるモチベーションの源泉やエンゲージメントといったところにアプローチしていくことが必要になってきますね。
企業の中で働く意味だとか意義のような領域を、外部の専門家という立場で関わっていけると思います。また、興味、関心を引き出すために、キャリアをデザインする力はすごく大事だなと思ってます。
和泉:左から1番目
肝付:
研修会社が「集合研修、オンライン研修会を売る会社」と捉えられると、もう通用していかなくなるだろうなと思っています。それぞれに異なるお客様のニーズを把握して、それをもとに「学び」や「キャリア」をキーワードに解決案を提案し、納得解を一緒に考えることで次のアクションが見えてくるでしょうし、うまくいかなかったところは変えていきましょうといった形で伴走していく立ち位置に入ることができたら、今後もお客様に選んで頂けると思います。
研修会社が「集合研修、オンライン研修会を売る会社」と捉えられると、もう通用していかなくなるだろうなと思っています。それぞれに異なるお客様のニーズを把握して、それをもとに「学び」や「キャリア」をキーワードに解決案を提案し、納得解を一緒に考えることで次のアクションが見えてくるでしょうし、うまくいかなかったところは変えていきましょうといった形で伴走していく立ち位置に入ることができたら、今後もお客様に選んで頂けると思います。
-酒井:大石さんは、なぜ研修教育領域に就職しようと思ったんですか?
大石:
私は対話の中でこの人は「こういう考え方を持っているから、こういう行動をするんだな」といったことを解釈していくことが好きなので、自分に似た人よりも、多様な価値観を持った人と関わって行くことに興味があります。なので、研修などを通して人と関われることがしたいと思って(研修教育業を)志望しました。
私は対話の中でこの人は「こういう考え方を持っているから、こういう行動をするんだな」といったことを解釈していくことが好きなので、自分に似た人よりも、多様な価値観を持った人と関わって行くことに興味があります。なので、研修などを通して人と関われることがしたいと思って(研修教育業を)志望しました。
水野:
「セルフキャリア・ドック」という言葉もありますが、正に「船着場」「拠り所」というイメージを持っています。YouTubeやサブスクといった形で、色々な学びが得られると思いますが、学んだときに戻って来れるような。
「セルフキャリア・ドック」という言葉もありますが、正に「船着場」「拠り所」というイメージを持っています。YouTubeやサブスクといった形で、色々な学びが得られると思いますが、学んだときに戻って来れるような。
自分の物語を聞いてもらうことで、キャリアがつながり、花咲くような気持ちを持てる場に研修会社がなっていくことが大切だな、と思っています。キャリア支援が色々な企業にあると、困ったり停滞したりしてもそこに行くとガソリンが注入されて、また頑張って学びに行こうという気持ちになる。そんな拠り所になれればと思いました。
Q5: 日本マンパワーは、これからどのような学びの機会を提供していくことができると思いますか?
水野:
私が法政大学でキャリア理論を教える機会を頂いていた時に、銀行を退職した60代の方が学生として学びに来られていました。授業では、ちょっと恥ずかしそうにされている一方、飲み会の席ではすごく面倒見が良くて、色々な学生との交流を思いっきり楽しんでいらっしゃいました。
私が法政大学でキャリア理論を教える機会を頂いていた時に、銀行を退職した60代の方が学生として学びに来られていました。授業では、ちょっと恥ずかしそうにされている一方、飲み会の席ではすごく面倒見が良くて、色々な学生との交流を思いっきり楽しんでいらっしゃいました。
その時、何歳になっても「冒険って出たもん勝ちだな」って思ったんです。引っ込んでいたら得られない経験も、冒険に出たからこそ得られる。とはいえ冒険って苦労もあるので、荒波で不安になった時の拠り所になれたらと思います。
みなさんが、「こんな経験したんですよ~」と伝えたくなるような安心・安全の場に、日本マンパワーがなれると良いなと思っています。
みなさんが、「こんな経験したんですよ~」と伝えたくなるような安心・安全の場に、日本マンパワーがなれると良いなと思っています。
肝付:
「正解のない時代の学び」という課題に対してマンパワーがどういう支援ができるのかを考えた時に、それは個人がやりたいことを支援することだと思います。正解のない学びだからこそ「こんな体験できるような場があるんだけど来てみない?」というような企画が、うちだったら提供できると思います。
「正解のない時代の学び」という課題に対してマンパワーがどういう支援ができるのかを考えた時に、それは個人がやりたいことを支援することだと思います。正解のない学びだからこそ「こんな体験できるような場があるんだけど来てみない?」というような企画が、うちだったら提供できると思います。
最近は、学び学びって言ってるけど、何を学んだらいいかわからないっていうお客様が多いという印象です。人事としては通信教育やeラーニングを安価で学ぶことができる機会をすごく提供している。でも結局誰も学ばないし、せっかくこの時代だから用意しているのに・・・・みたいな話は多いんです。
私の共通解としては「まず、キャリアを考えることじゃないですか」ということです。キャリアって、要は未来のなりたい自分を考えて、そのために道を考えようという話ですよね。そして、未来を考えたときに足りないものが自分でわかったら自分で学びに行きますよね。なので「やっぱり、まずはキャリアを考えるですね」という話になります。
小泉:
まさしくそうですね。ビッグワードを目的に施策を打つケースが多いことは確かです。それだけではなくて、元になるそれぞれの会社ならではの問題・背景やきっかけがあるから施策の導入に至ったわけで「そのプロセスを度外視して動かれるとメッセージが社員の皆さんに伝わらないですよ、そこを明確にしてから考えないと、ただ場を提供しましたでは皆さん学びませんよ」という話を時には申し上げます。
まさしくそうですね。ビッグワードを目的に施策を打つケースが多いことは確かです。それだけではなくて、元になるそれぞれの会社ならではの問題・背景やきっかけがあるから施策の導入に至ったわけで「そのプロセスを度外視して動かれるとメッセージが社員の皆さんに伝わらないですよ、そこを明確にしてから考えないと、ただ場を提供しましたでは皆さん学びませんよ」という話を時には申し上げます。
ですので、問題や背景をきちんとお伺いし、共に本気で作りだしていく気づきや体験の場作りという部分のお手伝いを最大限できると思います。
和泉:
私は、人の成長を支援したいというのが人事の方やキャリコンの方々がいらっしゃるのであれば、そこはお手伝いしたいと思います。
私は、人の成長を支援したいというのが人事の方やキャリコンの方々がいらっしゃるのであれば、そこはお手伝いしたいと思います。
知識やスキルも大事ですが、繋がりの場や、実際に自分のスキルや経験を活かせるような実践的な越境の場をご提供するといったことができるのではないかと考えています。
Q6: 最後に。皆さんにとって「学び」とは何でしょうか?
水野:
学びとは、日常に溢れているものだと思います。その学びに気づくためには、心がけは必要だと思っています。マイケル・オズボーンさんの「スキルの未来(2017)」という論文で、これから必要なスキルとして1位に上がったのが「ラーニングストラテジー(戦略的学び・学習法)」だったというのが印象的でした。
学びとは、日常に溢れているものだと思います。その学びに気づくためには、心がけは必要だと思っています。マイケル・オズボーンさんの「スキルの未来(2017)」という論文で、これから必要なスキルとして1位に上がったのが「ラーニングストラテジー(戦略的学び・学習法)」だったというのが印象的でした。
これからは「学び方を学ぶ」というスキルが大切になってくるんですね。世の中の需要を知ることも大切ですが、能動的に自分の学びのテーマや問いを見つけると、それが求心力となり、色々なことが目に飛び込んできます。また、学習法にしても、工夫をしないともったいないと思っています。自分はアウトプットしながら学ぶ傾向があるから、勉強だけではなく、誰かに共有する場を持ちながらが効果的だとか、ゲーム性を加えた方が学べるな、といった「自分ならではの学び方の戦略」も持続性や深い習得のためには必要です。
何をテーマにしたいのか、何を学びたいのかが見つからない場合は、小さな経験をあちこちでとりあえずしてみる「お試し期間」も戦略になるかもしれません。そういう視点でいると、日常は学びで溢れていると思えてきたりします。
大石:
可能性を知ることだと思います。人間って可能性が無限大だと思うのですが、その選択肢を知らなければそこに手を出すことはなくて何を学ぶのかも知ることはできないので、自分自身が今知らない選択肢を知るっていうところから入ることだと思います。
可能性を知ることだと思います。人間って可能性が無限大だと思うのですが、その選択肢を知らなければそこに手を出すことはなくて何を学ぶのかも知ることはできないので、自分自身が今知らない選択肢を知るっていうところから入ることだと思います。
肝付:
やはり「面白さ」や「興味関心」が、これからの重要なキーワードになって来ると思います。自分の子供を見ていて見習うべきだと感じるのは、純粋に興味関心があることに対しては自分で動きながらどんどん勉強していくという姿勢です。年を取るとどうしてもフットワークが重くなってくるので、子供心を取り戻して何でも興味関心を持って飛びついてみる、冒険してみるというところがこれからの学びだと思いました。
やはり「面白さ」や「興味関心」が、これからの重要なキーワードになって来ると思います。自分の子供を見ていて見習うべきだと感じるのは、純粋に興味関心があることに対しては自分で動きながらどんどん勉強していくという姿勢です。年を取るとどうしてもフットワークが重くなってくるので、子供心を取り戻して何でも興味関心を持って飛びついてみる、冒険してみるというところがこれからの学びだと思いました。
和泉:
「学びとは」と言われた時に、本気になったときにその先に訪れるもの。本気になった先に失敗したり成功したりして得られる教訓のようなものが学びになる、と感じています。あと、自分の中を探求し続ける、自分に矢印を向けて考え続けるということも忘れちゃいけないなと。そこも学びとして考える。外に学びがたくさんあると自分でも思いますが「自分の中をしっかり探求する」という学びは大事な視点ではないかと思います。
「学びとは」と言われた時に、本気になったときにその先に訪れるもの。本気になった先に失敗したり成功したりして得られる教訓のようなものが学びになる、と感じています。あと、自分の中を探求し続ける、自分に矢印を向けて考え続けるということも忘れちゃいけないなと。そこも学びとして考える。外に学びがたくさんあると自分でも思いますが「自分の中をしっかり探求する」という学びは大事な視点ではないかと思います。
小泉:
私にとって「学び」と聞かれたときに、過去の自分だったらそのとき役に立つか役に立たないかみたいな線引きをしながら学びを取る、情報を取捨選択していたかな、と思っています。では今どうなんだろうと思うと、昔選択していた情報が今になって役に立つこともあれば、そのとき捨てた情報が後から入ってくるときもあるなというようなところを自分の中で照らし合わせて考えていました。
私にとって「学び」と聞かれたときに、過去の自分だったらそのとき役に立つか役に立たないかみたいな線引きをしながら学びを取る、情報を取捨選択していたかな、と思っています。では今どうなんだろうと思うと、昔選択していた情報が今になって役に立つこともあれば、そのとき捨てた情報が後から入ってくるときもあるなというようなところを自分の中で照らし合わせて考えていました。
そして、今の私にとっての学びとは何だろうと思うと、ちょうど今朝、新規のお客様のところに商談に行ったのですが、自分に足りないことって山のように出てくるなって対話が終わってからすごく振り返りました。なので、私にとって「日々、学びだな」ということを感じました。
プロモーションイベントの運営・実務を担当。趣味は読書といけばな。最近、涙もろいのが悩みです。