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ミドルシニア社員の可能性を引き出す!新キャリア理論「サステナブルキャリア」とは?

ミドルシニア社員の可能性を引き出す!新キャリア理論「サステナブルキャリア」とは?

未分類

2026.1.29


今、キャリア研究のメガトレンドになりつつある「サステナブルキャリア(持続可能なキャリア)」。

欧州発の理論で、個人・組織双方の持続的な成長を目指すものです。

 

この理論は、キャリアの停滞期に陥りやすいミドルシニア社員のキャリア開発支援について、重要な示唆を与えてくれます。

このたび、サステナブルキャリア研究の第一人者 北村雅昭教授にご講演いただいた内容をご紹介します!

 

・イベント実施日 2025年9月24日

登壇者 大手前大学経営学部教授 北村雅昭氏

 進行 株式会社日本マンパワー マネジメントコンサルタント 秋本暢哉

 

 

 

※この記事では、イベントレポートの一部をピックアップしてご紹介しています。
 全文はダウンロード資料にてご覧いただけます!

北村教授のご講演

北村 雅昭(きたむら まさあき)氏

大手前大学経営学部教授

1963年生まれ。ミシガン大学経営管理大学院修了(MBA)、博士(経営管理)。専門分野は組織行動論、キャリア論、リーダーシップ開発。

著書に『持続可能なキャリア』(大学教育出版)、『LIVE講義!経営学の扉』(中央経済社)、『ベンチャーズインフラ』(共著、NTT出版)など。最近の研究テーマとして、持続可能なキャリア、キャリアショック、未来の自己概念、ダイバーシティ&インクルージョン、インクルーシブな管理者行動などに取り組んでいる。

初めまして、大手前大学経営学部の北村雅昭と申します。

本日は新しいキャリアのパラダイムであるサステナブルキャリア理論について紹介したいと思います。

(1) 持続可能なキャリア理論の背景

持続可能なキャリア(サステナブルキャリア)」というのは新しいキャリアのパラダイム(=ものの見方)です。このパラダイムが登場した背景には、ここ5年、10年の間に起きている世の中の大きな変化があります。

人生100年時代と言われるように、働く期間が長期化する一方、AIの発達やDXの進展によって、将来の働き方や仕事内容の不確実性が高まり、先の見通しを持ちづらくなってきています。

 

こういう時代において、長期のキャリアを自分らしく、納得感のある形で生きるためにはどうしたらいいのかという問題意識から、オランダのファン・デル・ハイデンとベルギーのデ・フォスという2人の女性研究者が中心になって、「持続可能なキャリア」は提唱されました。

 

実は、キャリア研究はここ10年ほど停滞期にあると言われています。その原因は伝統的な組織内キャリア・パラダイムとニューキャリア・パラダイムが対峙する形になったことが一つの要因なのですが、持続可能なキャリアは、それらを統合する役割を果たせるのではないかと考えています。

今日は、キャリア研究でメガトレンドとなりつつある欧州発の「持続可能なキャリア」の議論をご紹介することで、これからのキャリア支援のあり方を考えるヒントにしていただけたらと思っています。

(2) キャリア・パラダイムの変遷

 

 

キャリアのパラダイムは20~25年おきに大きく変わると言われています。

 

いわゆるキャリア研究という分野が本格的に登場する以前は、個人と組織の相性を考えるマッチングアプローチが中心でした。

 

その後、1970年代にエド・シャインなどの理論が登場し、組織内キャリア・パラダイムを中心とした本格的なキャリア研究が始まります。キャリアの管理主体は組織の側にあり、個人と組織のダイナミックな相互作用によって、自己概念をどのように発達させていくかを考えるのがこの組織内キャリア・パラダイムであり、現在でも日本でキャリアを考える場合には、主流のものの見方だと言えます。

 

そして、1990年頃のアメリカで、グローバル化に伴うリストラやIT革命を背景に、ニューキャリア・パラダイムが登場します。キャリアの管理主体は個人にあり、自分のキャリアは自己責任で切り開くものだ、という考え方です。アメリカにおいては主流のキャリア・パラダイムであり、日本でも、プロティアン・キャリアやバウンダリーレス・キャリアという考え方はとても注目されています。

 

そして次に登場したのが、持続可能なキャリア・パラダイムです。これはキャリアの管理主体は個人と組織の双方にあり、両者の対話により、キャリアが創造されるという捉え方です。個人と組織が協力するパートナーシップが大事だということですね。

また、ニューキャリア・パラダイムが、比較的短期の時間軸でキャリアを考えるのに対して、持続可能なキャリア・パラダイムは、生涯を貫く意味や価値を大切にして、より長期的な時間軸で捉えるところに新しさがあると言えます。

(3) キャリアにおける持続可能性の様々な意味

この「キャリアにおける持続可能性」の意味についてより詳しく説明しましょう。持続可能性は様々な切り口がある多義的な概念ですが、4つの側面から説明することができます。

一つは、資源ベースの見方で、資源の保存や再生がうまくいっているかどうかを見る、という視点です。たとえば、天職と思えるような仕事でも、オーバーワークで燃え尽きてしまっては持続可能とは言えません。また、仕事と家庭のバランスを優先して、楽な仕事を選んで能力開発が不十分になってしまう、といった場合も、持続可能とは言えません。

 

二つ目は、公平性ベースの見方です。現在と将来を含むすべての人の利益を考えるのが、この公平性の視点です。特定のコア社員や特定の年代にのみ注目するような人事施策や、キャリアの節目のみに注目するキャリア支援は持続可能とは呼べないことになります。

 

三つ目が進歩ベースの見方です。社会的、技術的イノベーションに対応することが持続可能である、という見方で、この観点からみると、将来の仕事に適応するための新たなスキルと知識が獲得できないシニアというのは、持続可能ではないことになります。つまり、リスキリングが重要になる、ということですね。

 

そして四つ目がシステムベースのものの見方です。仕事人間で、会社のみ、仕事のみに集中する生き方は、人生全体をホリスティック(総体的)に見たときに、ハッピーな状態にはならないと思います。

家族、友人、地域、趣味などとの関係をうまく保つことを視野に入れることがキャリアの持続可能性につながるのです。


 

この後、人事担当者が特に押さえるべきポイントや、キャリア支援者が注意したい視点、さらにミドルシニアのキャリア開発支援のヒントなどのお話が続きました。

キャリアの持続可能性を左右する「曖昧な移行期への支援」「ワーク・アビリティの捉え方」「未来自己や時間的展望の扱い方」など、実務に直結する示唆が盛りだくさんです。

ぜひ、イベントレポートの全文をダウンロードし、続きをご覧ください!

イベントレポート全文

2クロストーク

秋本

続いて、第2部のクロストークに入ってまいります。参加者の皆様からの質問を取り上げて、サステナブルキャリアについて議論を深めていきたいと思います。

(1) プロティアン・キャリアとの違いについて

秋本

まず、講演の中でも触れていただきましたが、改めてプロティアン・キャリアとの違いについて教えていただけますでしょうか。

北村教授

私もプロティアン・キャリアの考え方には非常に共鳴しています。自分にとって大切な心理的成功をクリアにして、それを追求する姿勢がこれまでの日本では少し弱かったので、それを改善する新しいキャリア観としてとても重要だと理解しています。

 

ただ、なりたい自分や心理的成功があったとして、それを自分の力だけで実現できるのだろうか、という根本的な問いがあります。ものすごく能力の高い人を除けば、多くの人は自分の理想に近づくためには、やはりそのための仕事経験を組織の中で蓄積していく必要があります。

 

ですから、プロティアン・キャリアの望むところをクリアにして主体的に行動するという考え方には大賛成なのですが、それを実現する手段として、組織との対話が大切であるという点は強調しておきたいと思います。

北村教授

もう1点、持続可能なキャリアの考え方は、この3年でやりたい、といった短期的なものではなく、人生を意味あるものにするためにどういうストーリーを歩んでいきたいのか、といった長期的な視点が大事だと言われています。これらがプロティアン・キャリアとの違いと言えるでしょう。

秋本

今の仕事で、しっかり経験を積んで成果を出して、その意味を感じるということ。

 

そして、短期的なことではなくて、人生を本当に充実させるためのキャリアづくりをめざす視点が、サステナブルキャリアでは重視されているということですね。

北村教授

はい、そうですね。「キャリア・クラフティング」という概念があるのですが、これは大きな人生のストーリーの中で今やっている仕事をどう意味づけるかということです。

 

仮に今の仕事が少し気に入らなくても、大きなキャリアのストーリーがあれば、意味づけしやすくなります。時間を超えたつながりという視点を持つことが、持続可能なキャリア理論からのメッセージです。

(2) 残念なシニアにならないための支援策について

秋本

次の質問です。40代、50代になると処遇などに差がついてきて、マインドチェンジがうまくできない方がいます。
いわゆる「残念なシニア」と言われてしまうケースもありますが、そうならないための支援策について、サステナブルキャリア理論の観点からアドバイスをいただけますでしょうか。

北村教授

持続可能なキャリア理論では、キャリアショックを経験する意味について語られています。人生が終わるようなショックは、たしかにものすごくつらい経験ですが、少し長い目で見ると「あれがあってかえってよかった」という人も多いことが分かっています。

 

それは、それまでの人生が全否定されるような経験をすることで、キャリアの前提が崩れて、全く新しい視点で自分の生き方を問い直す必要が出てくるからです。

中長期で見ると、キャリアショックはポジティブな影響をもたらすことがあるのです。

北村教授

ただ、組織が意図的にそのような大きな断絶を起こすことは現実的ではありません。じわじわとした変化の中で昇進の可能性が薄くなり、不満が出てきてしまう方をどう支援するか。

 

キャリアの持続可能性理論から言うと、昇進がなくなった後に未来を思い描けなくなってしまっているのが一番の問題です。

時間軸をコントロールしたり、人生の目標をコントロールしたりすることで、キャリア適応をサポートできるのではないかと思います。


 

この後のクロストークでは、ミドルシニアが学び続けるための「時間的展望を広げる支援」や、マッチョイズムから脱却するための越境学習の重要性、さらに個人の可能性を引き出すために欠かせない“組織との対話”の在り方などがテーマにあがりました。
ぜひ、イベントレポートの全文をダウンロードし、続きをご覧ください!

イベントレポート全文

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