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イオングループの主体的なキャリア形成への挑戦 ~グループ連携の取り組み~

イオングループの主体的なキャリア形成への挑戦 ~グループ連携の取り組み~

未分類

2026.4.7


イオングループは、従業員数62万人を擁し、日本を代表する総合グループ企業です。

そのイオングループが現在、一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する、という壮大な挑戦に取り組んでいます

 

「人間を尊重する」という企業理念を具現化し、従業員が仕事もライフも含めた人生全般において自己実現の道筋を描けるよう、グループ全体で組織的な支援体制を構築しようとしています。

 

そこで日本マンパワーは、イオン株式会社をはじめ、グループ企業3社の人事・人材育成の担当者の方をお招きして、その実践についてご紹介いただくイベントを開催しました。多様な従業員にキャリアについて関心を持ってもらう工夫と、各社、各現場の実情に合わせた柔軟な展開は多くの企業の人材育成のヒントになります。

 

本ページではイベントレポートの一部をダイジェストでご紹介しています。
全文は、資料ダウンロードにてご覧いただけます!

1開会のあいさつ

水野 みち

株式会社日本マンパワー キャリアドック事業本部長
キャリアのこれから研究所 所長

水野 皆様、本日はご参加いただきありがとうございます。日本マンパワーの水野と申します。私はイオン様のキャリア支援における各種ツールの作成にながらく携わらせていただきました。その関係から本日はモデレーターを務めさせていただきます。

 

本日のテーマである「キャリア自律の支援」は、現在多くの企業で注目されており、私どもがご支援するケースも右肩上がりに増えている状況です。

その経験から、キャリア自律支援のポイントについて簡単にお伝えしたいと思います。

 

かつては、「キャリアは会社に任せるもの」「会社が勧める階段を上っていけば自分のキャリアも形成される」という暗黙の了解がありました。

しかし現在は、転職が珍しくなくなったように、一人ひとりがキャリアについて考える時代です。自らキャリアを選び、自らスキルをアップさせ、自ら様々なネットワーク情報を蓄えていく。いわゆるキャリア資産を蓄え、自分のキャリアを自分で充実させていくことが求められています。

 

そうした状況では、企業と個人の関係が対立するかのような不安が生じたり、交流がしっかり保てるのだろうか、という疑問が湧いたりするかもしれません。

そうした不安や疑問を解消するため、架け橋となって両者をしっかりつないでいくのが、私どもの考える企業内のキャリア自律支援です。この実現には、やはり社員と会社の丁寧な対話が必要になります。

 

それがあってこそ、キャリア自律支援からウェルビーイング、エンゲージメント、生産性の向上につながっていくと考えています。

これがずれていたり、うまく対話が行われなかったり、理解意思疎通が取れていなかったりすると、社員のなかで不満が生じて、やがては離職につながりかねません。

 

社員の皆様がイキイキ働きつつ、会社が成長していくには、この社員と会社の丁寧な対話がキーとなる、ということを改めて申し上げたいと思います。

イオングループ様はまさにこのことを大切にしてらっしゃる会社様だと感じておりまして、このようなイベントが開催できますことを非常に嬉しく思っています。

 

それではまず、イオン株式会社人材育成部の今井あゆ様にお話しいただきます。
イオングループ様の規模感、従業員数を考えた時に、どのようなキャリア支援施策が適切なのか。ここが注目のポイントになってくると思います。では、今井様、お願いいたします。

2イオングループ全体のキャリア形成支援の取り組み

(1) イオングループの企業理念と「人間を尊重する」DNA

今井 あゆ (いまい あゆ)氏

イオン株式会社 人材育成部
1998年、ジャスコ株式会社(現イオンリテール)入社後、小売およびディベロッパー事業の国内外グループ会社4社にて、営業および人材育成・採用などの人事業務に従事。2020年より現イオン株式会社 人材育成部にて、イオングループの“主体的なキャリア形成”の推進を担当。

《保有資格》 国家資格キャリアコンサルタント

イオン株式会社 人材育成部 今井氏 水野様、ありがとうございます。本日はこの貴重な機会に、イオングループの主体的なキャリア形成の挑戦についてお話しさせていただき、ありがとうございます。イオンとしては始めたばかりの施策ですが、少しでも皆様のお役に立てたらと思います。

 

まず、イオングループについて簡単にご紹介いたします。イオングループは、小売業を中心に金融、ディベロッパー、サービス・専門店など様々な事業を行っている総合グループ企業です。各事業がシナジーを生み出しながら、お客さまを原点に、絶えず革新への挑戦をし続けております。

 

事業規模は、営業収益が101000億円を超え、国内外14カ国、現在の従業員数は約62万人です。このイオングループには、大切にしている価値観があります。「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」ということが、私たちの最も大事にしている価値観です。その中で、「人間を尊重する」というところに焦点を当ててお話しさせていただきます。

 

私たちは、一人ひとりを信じ、尊重することで、その人の能力や思いが花開き、さらに人とつながることによって、より幸福な状態が生じると考えています。

また、人間が持つ可能性を信じ、仕事や学びを通じて成長し、よりよく人間的になることを後押しする。また、人間は一人で成長することは困難で、人とのつながりの中で他者と共により良く人間的になっていくことが、幸福の実現であると考えています。

そしてそのためには、常に自らを変えていかなければならないという思いを持っております。

 

「人が持つ可能性を信じ、仕事や学びを通じて成長し、より良く人間的になっていくということを後押しする」というのが、イオンの根底にある価値観です。そこを改めて確認しながら、社員一人ひとりの成長を後押しするべく、主体的なキャリア形成の取り組みをスタートしてまいりました。

(2) イオンにおける「キャリア」の定義とキャリア支援の3つの柱

イオン株式会社 人材育成部 今井氏 まず取り組んだのは、イオングループにおける「キャリア」の定義を明確にすることでした。社内で議論する中で、キャリアという言葉に対する考え方が人によって異なっていたため、イオンとしての共通認識を作りました。

イオンでは「キャリア」を「仕事もライフも含めた人生全般」と定義し、「人生における自己実現の道筋を描くこと」としています。

 

具体的な取り組みは、大きく3つの柱があります。1つ目は多様なキャリアプログラムの導入、2つ目はキャリア対話の組織風土づくり、3つ目はキャリアのグループ連携です。

これらを段階的に進めるイメージとして、まずステップ1では一人ひとりがキャリアデザインを学び言語化できるツールやコンテンツを用意しました。ステップ2ではそれを基に上司とメンバーがキャリア対話をしていきます。できれば半期に1回はキャリア対話をする風土を作っていきたいと思っています。

そして、ステップ3としてキャリアについてより深く学べるステージ別キャリア研修などを受講いただき、希望者には随時キャリア相談を受けられる環境を社内やグループで整えていくというイメージです。

今井様は、この後、イオングループでキャリア自律を支援する社内資格「イオンキャリアアドバイザー」について詳しく紹介してくださいました。

3年前から「イオンキャリアアドバイザー」の養成を実施され、現在では、アドバイザ―の方が、各種研修でのキャリア面談や、社内情報サイトでのキャリア情報の発信などに携わられているそうです。

イオングループの主体的なキャリア形成への挑戦

3各社の取り組み事例

(1) イオンビッグ株式会社 二木洋祐氏のご講演

二木 洋祐 (ふたぎ ようすけ)氏

イオンビッグ株式会社 人事部 採用・教育グループ

新卒でドラッグストアの会社に入社し、店長・SVを経験後、採用部に異動。
2024年、イオンビッグ株式会社に転職し、同じく採用の業務に携わりながらも、現在イオンキャリアアドバイザー養成講座を受講中。
「働きがいのある会社」認定を夢見て、従業員のエンゲージメント向上の仕組みづくりに現在挑戦中。

●エンゲージメントを仕組み化するという理想

 

二木氏 正直に申し上げると、私が所属する会社のキャリア施策はようやくスタート地点に立ったばかりだと思っています。私の話もまだ実装ができていない部分が多いので、少し抽象度が高めかもしれませんが、こんな思いでこんなことをしようとしているんだな、とか、こんな課題を感じているんだ、といったところを感じていただければと思います。

 

私はキャリアアドバイザー養成講座に参加したのは、自分で手を挙げたのではなくて、推薦をいただいて学んでいる形になります。私は去年の4月にキャリア入社でこの会社に入社したのですが、面接の時から、エンゲージメントを仕組み化して、個々がイキイキと働き続けられる会社にしたいということを言ってきました。それがあって、今回推薦をいただくことができたのかなと思っています。

 

私は、コンビニやスーパーなどで店員さんから笑顔で声かけをされることが嬉しくて、元気をもらえたり、とても幸せな気分になります。個人差はあるかもしれませんが、そういう人も多いのではないでしょうか。

ですから、小売り店で働く人が、もっとイキイキと楽しく働き続けられるような仕組みを作れば、多くの人の日常がもっと豊かになるのではないか

そんな思いから、社内で発信を続けています。

 


 

私が目指すエンゲージメントというのは、働く人と会社の目指す方向が一致している状態を指します。

ですから、会社で頑張ることが自分の目標に近づくことにもつながります。そのため楽しく働くことができる、という解釈をしています。そのためには、会社の理念や会社が目指すことについて、私自身がしっかりと勉強した上で、働く人たち個人の目標とつなげていくというのが、最終的な仕組み化のゴールだと思っています。

 

その実現にはかなり年月かかると思っていますが、大きく3つのステップを考えています。まずはイキイキと働く人の発掘と育成ができる仕組みを作ること。

次に、発掘・育成できた人が発信できる仕組みを作って熱量を見える化すること。

そして、その発信を見た人が「自分もできるかもしれない」「やりたい」と思えるように熱量を波及させていく、というイメージです。

 

自己効力感が湧くことが行動につながると思うので、自己効力感が生まれる仕組みができて初めて、会社全体のエンゲージメント向上につながるのではないかと思います。

~二木様は、この後、①制度導入を進めるうえでの課題、②イキイキ働く人材の発掘・育成に向けての具体的な仕組み・構想などをお話してくださいました。~

(2) イオンリテール株式会社 黒田亜祐実氏のご講演~イオン東北でのキャリア支援の取り組み等~

黒田 亜祐実 (くろだ あゆみ)氏

イオンリテール株式会社 南関東カンパニー 人事総務部 教育グループ

2014年、イオンリテール株式会社に新卒で入社。東北エリアを中心に、GMS店舗売場マネージャー、新店舗開設委員を経験後、イオングループ内ABS(イオンビジネススクール)人事教育コースを受講。その後、2021年より分社化しイオン東北株式会社へ出向し、人事教育部教育グループへ配属。新人事制度稼働に伴う教育制度促進のため、自社内の公募・ABS企画・運営を経験後、25年秋期異動にてイオンリテール株式会社へ帰任。

《保有資格》 国家資格キャリアコンサルタント

黒田氏 イオンリテール株式会社南関東カンパニー人事総務部の黒田亜祐実と申します。本日は、キャリア自律の取り組みについて、私の実践事例を基にお話しさせていただきます。

私は、イオングループ内の公募制度に応募しまして、202510月にイオン東北株式会社からイオンリテール株式会社に帰任しました。会社が変わることで、環境や関わる方々、業務内容も大きく変わり、日々新たな学びと発見の連続です。

本日は、前職であるイオン東北在籍時に取り組んできたキャリア自律支援の実践内容についてご紹介いたします。

 

イオン東北株式会社は2020年にイオンリテール東北カンパニーから一部分社化し、2021年には全機能を独立させて新たにスタートをいたしました。2024年には新人事制度を導入して、従業員一人ひとりの希望をより実現しやすい仕組みになりました。

~黒田様は、この後、イオン東北株式会社で実践された ①公募制度の運用による挑戦機会の拡大 と、②自己申告制度を活用したキャリア面談の構築 について紹介してくださいました。~

(3) マックスバリュ東海株式会社 立川祐司氏のご講演

立川 祐司 (たてかわ ゆうじ)氏

マックスバリュ東海株式会社 人事総務本部 人事教育部/部長

1989年、ジャスコ株式会社(現イオンリテール)入社。イオンのスーパーマーケット事業の中核であるマックスバリュ東海の人事部長と、グループ間連携を促すためにキャリア自律を「発信・支援」するイオンキャリアアドバイザーの二足の草鞋を履いて、主にグループ情報発信を担当する「PR活動チーム」で活動している。

●2024年人事制度刷新の背景

 

立川氏 マックスバリュ東海株式会社、人事部長の立川と申します。マックスバリュ東海は、神奈川から三重県、滋賀県まで7県下で245店舗を展開しているスーパーマーケットです。現在では移動スーパーや、新規事業として法人向けの無人スーパーなども数多く展開をしています。

 

マックスバリュ東海も2024年に人事制度を刷新しました。これは2030年のありたい姿を実現するため、会社と個人の関係性が大きく変わっている点に着目をして、今までとは全く違う制度を作り上げたものです。

これまでは人事について会社が全て決定してきたところを、従業員自らが考えて変わっていくという制度に変えていくことになりました。キャリアを会社に委ねるのではなく、自分のやりたいことは自分で目指せる制度に変えれば、2030年のありたい姿を実現できるのではないかと考えています。

~立川様は、この後、制度刷新に合わせ、管理職向けキャリア支援研修の実施、キャリア相談窓口の設置に取り組まれたこと、また若年層への伴走支援制度(メンター・ブラザーシスター制度)について話してくださいました。~

イオングループの主体的なキャリア形成への挑戦

4質疑応答

質疑応答では、「現場のリアルな悩み」が凝縮された質問が相次ぎました。

• 経営トップの理解をどう得るのか、そしてそれをどう持続させるのか?
• キャリア自律を進めると離職は増えるのか? エンゲージメントとはどう結びつくのか?
• 上司によるキャリア面談の質のバラつきを、どうやって組織全体で底上げしていくのか? 等

 

どれも、多くの企業が直面するテーマばかりで、登壇者の回答には実務に役立つ示唆が詰まっていました。
質疑応答の詳細はレポート本文で紹介していますので、ぜひご覧ください!

イオングループの主体的なキャリア形成への挑戦

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